夏の晴れた日には、どうせ進まない書きもの仕事など放り出し、ローレンツ先生はイヌのスージとドナウ川に遊ぶ。ハイイロガンやカラスと同様、イヌやネコも先生にとっては、研究対象であり、かつ一日見ていて見飽きない伴侶たちだ。名作『ソロモンの指環』のローレンツが、イヌやネコに対する愛情から発した洞察を、自身の生活を彩った愛らしいイヌたち・ネコたちの肖像とともに綴る、愛犬家でなくとも必読の名作エッセイ。
目次
はじめに 人と家畜
事の起こりは
忠節の二つの起源
イヌの個性
訓練
イヌの慣習
主人とイヌ
イヌと子ども
イヌを選ぶこと
イヌの飼育家への訴え
休戦
垣根
小さいディンゴの騒動
ものいうこと能わざるは、いとうらめしき…
愛情の要求
イヌの日
ネコの遊びについて
人とネコ
嘘をつく動物
ネコめ!
動物と良心
忠節と死