西洋的進歩史観の本質と「近代」の意味を問う。
西欧的な意味での近代は、私たちに光をもたらしたのか。国民主権、資本主義、個人主義など自明の価値体系から「進歩」の本質を問い直す。
「西欧近代とは何か?」。だれもが疑わなかった理想社会に齟齬が生じはじめた。その現実を前に、再認識を余儀なくされている「近代」の意味。
▼自由、平等、民主主義、市場経済……アメリカが掲げる輝かしい「文明」は、同時に形式的な官僚主義、空虚なニヒリズムを生み出した。信ずべき確かな価値を見失い、茫然自失する私たち。人類が獲得した果実ははたして「進歩」だったのか。
▼ホッブズ、ルソー、ウェーバーなど、近代を決定づけた西欧思想を問いなおし、現代文明の本質と危うさに真っ向から迫る新しい文明史観。教科書には決して書いていない近代史の流れを、行き詰まる現実を視野に洞察する。
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[内容紹介](第1章)文明の捉え方(第2章)「確かなもの」の探求(第3章)「近代国家」とは何か(第4章)「人民主権」の真の意味(第5章)フランス革命とアメリカ独立革命(第6章)個人主義の起源(第7章)不安な個人の誕生(第8章)西欧進歩主義の壁
●第1章 文明の捉え方―進歩の思想と文明の衝突
●第2章 「確かなもの」の探求―西欧近代の成立
●第3章 「近代国家」とは何か―ホッブズの発見
●第4章 「人民主権」の真の意味―ホッブズからルソーへ
●第5章 フランス革命とアメリカ独立革命―異質な近代革命
●第6章 個人主義の起源―マックス・ウェーバーと西欧近代
●第7章 不安な個人の誕生―合理主義の行方
●第8章 西欧進歩主義の壁―ニヒリズムの時代へ